労働審判対応
1 労働審判とは
労働審判は,一般的な裁判(民事訴訟)とは,違います。民事訴訟は何年もかかったりすることがありますが,労働審判はありません。審理する期日が3回まで,と決められているからです。よく言えば迅速,わるくいえば拙速な手続なのです。
2 労働審判は,ある日突然に
社員が労働審判を申し立てると,会社には,突然,労働審判の期日は〇月〇日〇時だから出頭せよ,という手紙が届きます。期日まで1か月ほどの猶予しかない場合が多いようです。しかも,期日の変更は不可能というのが実情です。仮に,会社側の都合がつかず,出席できないとすると,それでは第1回目は社員側だけの出席で手続を進めます,ということになりがちです。
3 第1回期日の対応方法
可能な限り,他の予定を移動して,期日に出席すべきです。どうしても出席できない場合は,せめて,主張したい内容を記載した書面(主張書面)と,証拠は提出しておきましょう。
1回目の期日で重要なことは,証拠はすべて出し切ってしまうということ。証拠の後出しは,不利です。とっておきの隠し玉は,最後までとっておくのは,おすすめできません。なぜなら,労働審判は最大3回までなので,裁判所は,1回目の期日で,心証を形成するからです。弁護士の感覚でいうと,2回目に出すのでさえ,手遅れという感があります。「このタイミングで,そのような重要な証拠を出すのであれば,労働審判の中で解決するのではなく,通常の民事訴訟でやってください」と言われる可能性が高まるということです。ですので,できる限り,有利な証拠は1回目の期日に出し切るようにしましょう。
4 第2回の期日の対応方法
2回目の期日では,和解の話合いがもたれることが多いようです。労働審判でも,和解で終わる場合と,審判(裁判)が出される場合と,両方あり得るのです。和解でまとまる場合は,「解決金として給料〇か月分を支払う」という内容が盛り込まれるのが一般的です。
2回目の期日でまとまらない場合は,3回目の期日がもたれます。
5 第3回の期日の対応方法
3回目の期日は,最後の期日です。和解がまとまるか,審判(裁判)が出されるか,分岐点です。労使の対立が激しい事件でも,3回目の期日で和解がまとまることは,珍しくありません。早く解決するに越したことはないので,あきらめずに和解にのぞみましょう。一方,審判(裁判)が出されることになると,一応の決着がつくことにはなります。しかし,審判については,不服がある場合,通常の裁判(民事訴訟)へ移行することが可能ですので,通常の(時間のかかる)民事訴訟に移行する可能性があることを念頭に置いておきましょう。
6 弁護士法人松柏法律事務所生駒事務所のできること
第1回目の期日は,変更してもらえないことが多いです。当事務所は,弁護士5名在籍しているので,弁護士の都合がつきやすいメリットがあります。労働審判は,第1回期日が勝負です。私どもは,準備に時間がかけられない状況でも,短期間で会社の立場を把握し,最善を尽くしてきた実績を積み重ねています。
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